オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

たった一度のミスが致命傷

 

 

書くか悩んだが書きますブログ。

 

 

 

今日は年に一度の日本一決定戦。

 

毎年僕は個人タイムトライアルのタイトルに挑んでいる。

 

ロードレースよりも脚質的に可能性があるし、なにより1人で速く走れるのはカッコイイからだ。

 

 

 

今年はポジション探求にも力を入れて、この大会に向けた練習にも気合が入っていた。

 

 

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今日はスタート前のサインもバッチリ決めてスタートした。

 

 

今回は走りのスタイルを変えて、前半は余裕を持って走ろうとペースを作ってみた。

 

 

ホームストレートの折り返しのブレーキングで、予想以上にタイヤが滑りバイクが暴れたので、コーナーは慎重にクリアしていきました。

 

既に行われていた他カテゴリーのレースでも落車は多かったようで、注意ポイントも頭に入っていた。

 

1周目はすべてのコーナーを慎重にクリアして、踏めるところでしっかり踏む。

 

無線から入る情報では、中間タイムはトップ3に入っているようだったので、抑えめで入ってこのタイムなら順調だと自分に言い聞かせた。

 

 

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大幅に変更したハンドル周りの感触も悪くない。

 

 

2周目のホームストレート往復を終える頃には先発の選手を目前に捉えていた。

 

 

ちょうど下りに入るパナソニックコーナーで並んでしまうタイミングだったので、ここは慎重に抜かずに間を取る。

 

レクサスコーナーを過ぎて13コーナーへ。

 

自転車にとっては緩い左コーナー。

 

前の選手を交わすラインを選びながら入ったその直後だった。

 

スコーン

 

と前後輪がグリップを失ったのだ。

 

一瞬の出来事だった。

 

左に倒れて、ウェット路面+ハイスピードということもあり、しばらくお尻をついたまま滑り続けた。

 

体感的には10秒近く滑って、バイクを拾ってすぐに復帰。

 

後ろを走る廣瀬さんからは「諦めるなよ」「まだ大丈夫だ」と無線が入る。

 

 

左のお尻が痛い。

 

コーナーが怖い。

 

 

これからペースを上げていこうとしていたのに、ペースは落ちる一方だし、コーナーは余計に攻められなくなるし。

 

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無線からの廣瀬さんの声が無ければ、早々に心が折れて踏めなくなっていただろう。

 

 

廣瀬さんの声を頼りに我慢し続けて走りきった。

 

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当然、出し切れてもいないし、ただただ悔しくて、情けなかった。

 

 

ここまでどれだけ色々積み上げてきても、たった一度の落車で全てが無駄になることがあるのが個人タイムトライアルの残酷なところ。

 

 

 

 

僕は思い知った。

 

全ての課題を確実にクリアしてそこでベストを尽くせた人が勝つのだなと。

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんな僕のことはどうでもいい。

 

 

増田さんが優勝したんだ。

 

初の全日本タイトルを獲得したんだ!

 

 

今日はみんなで増田さんの勝利を祝いましょう!

 

 

 

 

 

 

今日は沢山の応援ありがとうございました。

 

 

それではまた。