オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

こんなことってあるかよ

 

 

 

あるんです…

 

これがロードレースです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は今年のシリーズ中最長の158kmでのレース。(本来なら172kmでしたが台風の影響を考慮して短縮)

 

経済産業大臣旗という、レースレーティングが最も高いレースです。

 

その為、着順で与えられるポイントも高く、総合を狙うのなら外せない戦いだ。

 

 

 

当然、我々は篤志プロリーダージャージをキープするための走りで挑む。

 

 

雨予報だった今日でしたが、雨は時々パラつく程度で、路面もフルウェットにはなりませんでした。

 

 

やはり距離が長い為か、スタート直後のアタック合戦はやや控えめ。

 

そんな流れの中で、増田さんを含む10名程の逃げが決まった。

 

主要チームの主力メンバーがそれぞれ逃げに乗ったことにより、メイン集団はマトリックスを先頭にペースダウン。

 

その差は広がっていった。

 

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ここからしばらくは楽なペースで周回を消化していく。

 

終盤の展開に向けて、脚を温存する時間だ。

 

 

の、はずだったのだが、僕のリアタイヤがパンク。

 

一度ニュートラルカーに車輪を借りて集団復帰し、次の周にゴール前の補給所で再度チームの機材に履き替えるという、無駄足を使う事態が発生…

 

今日は風が強く、単独で追いつくのに脚を使ってしまった。

 

まだペースが上がる前で助かった…

 

 

それから間もなく、逃げ切りを拒んだマトリックスが徐々にペースアップ。

 

5分程まで広がったタイム差はみるみる詰まってくる。

 

ウェット路面で気を遣いながら、かつ上りではキツめのペース…

 

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だいぶ疲れてきた。

 

 

 

 

レースも残り4周になると、逃げとの差も1分と少しになっていた。

 

名物、三段坂の手前ではいよいよ1分差になった。

 

ここでマトリックスが攻撃を仕掛ける。

 

上りに入った直後、アシストの牽引からエース格2人がアタック。

 

反応できたのは集団前方にいた数名。

 

篤志と堀さんがこれに反応し、飛び出した。

 

上り手前でポジションアップの為に引いた譲さんと、単純に反応できる脚の無かった僕が、生き残っていた小集団に残った。

 

 

 

 

 

 

しかし、これから間もなく、悲劇に遭遇した。

 

 

 

 

数名のアタックが決まり、篤志もしっかりマークして付いて行って万全かと思えたのもつかの間。

 

上り終えて一度フラットになったところで篤志と堀さんがストップしていたのだ。

 

 

当然、後から追いついた僕らも篤志の復帰を待った。

 

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先頭との差は40秒と言っている。

 

僕と譲さんとで、全力で前を引いた。

 

40秒ならガツンと踏んで一気に追いつこうと思ったのだが、前もこれをチャンスと見たかペースを上げていたようで。

 

疲弊していた僕の力もそこまで長続きせず、コース中盤で僕が力尽きて後を託してから、篤志が上りで相当踏んでも、その差は開く一方だったようだ。

 

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悔しいが、遅れてからはもう何もできない。

 

譲さんが一言「走り切るぞ」と言って僕に合わせて走ってくれました。

 

 

最後の力を惜しみなく出し切ったので、もう僕に坂道を上る力はゼロに等しかった。

 

でも譲さんがいてくれたおかげで、それからの2周回をなんとか耐え抜くことができた。

 

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結果は惨敗。

 

マトリックス劇場だ。

 

篤志が諦めずに粘って、逆転こそされたものの、その差を最小限にとどめることができたのは幸いだったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上手くいっていても、予期せぬ事態で全てを失うことがある。

 

今年のTOJでも痛感したことだが、ロードレースは残酷なものだ。

 

 

ただ、これで気を落としてはいられない。

 

あと4戦あるレースで取り返す戦いをせねばなりません。

 

 

気合い入れていきます。

 

 

 

 

 

悪天候が予想される中、応援に駆けつけてくださった皆様、ありがとうございました。

 

踏み辞めずにいられたのも声援のおかげでした。

 

シーズンも後半戦ですが、最後まで変わらぬ応援よろしくお願い致します!

 

 

 

 

 

 

 

 

台風の影響が心配された帰りの飛行機ですが、早い時間の便で予約が取れたので、空の上でこのブログ記事が書けました。

 

 

 

 

 

それではまた。