オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

幻のプロリーダージャージと孤独な闘い

 

大嫌いな群馬CSCでの三連戦最終日。

 

今朝から疲労なのか筋肉痛なのか、脚が痛む。

 

 

最終日は6kmのコースを22回もアホみたいにグルグル回る132km。

 

スタート前、周回版の22という数字を見て絶望した。

 

 

 

 

 

 

 

昨日のレースで僕はアシストの副産物として、想定外のプロリーダージャージを獲得したのだが、昨夜ホテルにて監督からこれが間違いだったと知らされる…

 

 

龍さんと僕は昨日のレース終了時点で同点。

 

総合得点が同点だった場合、その日のレースの着順でジャージ着用者が決まる。

 

よって、昨日3位だった僕でなく、1位の龍さんが正しい着用者だったのだ。

 

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ちょっと残念。

 

 

記念撮影だけとなった僕のリーダージャージ姿。

まぁ、個人的にもまだ総合リーダーの器じゃあないと思っていたので…

でもいつかはちゃんと着てみたいですね。

 

 

 

 

 

 

さて。

Day3、最終日の今日は譲さんを中心に逃げの展開で勝負することを前提とした作戦でした。

 

期間中最も雨がしっかり降った今日。

 

序盤のアタック合戦の中でブリッツェン的には良いメンバー(増田さん、譲さん、西村さん)を乗せた逃げを作ることができ、逃げ切りを前提に逃げに入ったメンバーでペースメイクして、メイン集団との差を一気に広げました。

 

逃げが出来てから間もなく、僕はパンクのトラブルに見舞われる。

 

幸いにもピット付近だったので、チームの機材で交換を済ませた。

 

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交換を終えると、少し先でアベタカさんが待っていてくれた。

 

それからアベタカさんは僕を引き連れ、メイン集団前方までポジションを戻してくれました。

 

雨だし、脚痛いし、パンクして無駄足使うことになった僕の気持ちは折れかけたが、僕に出来るだけダメージの無いように集団に戻してくれたアベタカさんの事を思うと、今日もまた弱音は吐けないと胸に誓いました。

 

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それからメイン集団は一度落ち着いてペースを落とし、逃げに送り込んでないチームのコントロールで周回を重ねる。

 

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集団に残ったメンバーでしっかりと固まり、次なる展開に備える。

 

この時既に脚がけっこうキテました…

 

 

そしていよいよキナンを筆頭に追撃が始まり、上りでのペースアップでメインは崩壊。

 

周回を重ねる度に人数は減っていった。

トマさんの上り半端ないっす。

 

気づけばメイン集団にはブリッツェンは僕1人しか残っておらず、逃げとの差が詰まってきている以上、ここで脱落するわけにはいかなかった。

 

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孤独な闘いだった…

 

選手を複数枚残しているチームのブリッジを試みる飛び出しなどに一人で対応していくのはかなりハードでした…

 

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振り返った彼は僕のこの表情を見て何を思ったか。

 

僕はポーカーフェイスができません。

 

 

 

 

逃げ集団で何が起こっているかは分からなかった。

 

けれど、希望を託し、チームメイトを信じてひたすら耐えた。

 

 

 

 

 

 

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そしたらやってくれました!

 

増田さんが優勝!

 

少しプランに変更があったようですが、勝ったことに変わりはない!

 

ゴールしてこの知らせを聞いて、ホッとしました…

 

耐えた甲斐があったというものです。

 

 

 

 

 

そして今日のオマケは3日間の総合時間賞3位。

 

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プロリーダージャージは増田さんの手に渡りました。

 

 

 

 

 

いや〜。

 

 

この三連戦、すごく良かった。

 

連日、チームメイトとの連携は上手く噛み合い、みんなが一つになって結果に結びつけた感じがあった。

 

改めて、良いチームだなと思いました。

 

サポートに徹してくれたスタッフ、遠くからモニタ越しで応援してくださった皆様、そしてチームメイトに感謝です。

 

 

これが無観客だったのが唯一の残念なこと!

 

 

 

でも、なかなかレースのできなかった鬱憤を晴らすようなレースができてとても気分が良いです。

 

きっと見てくれていたファンの方たちもそう思ってくれたはずです。

 

 

 

 

 

 

最近、また感染者が増加して不安な日々が続きますが、早期収束を願って、また今まで通りのレースができるよう、皆で気をつけていきましょう。

 

 

 

 

 

それではまた。