オノデライダー戦記

宇都宮ブリッツェン所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

脱スーパーストラット!

 

愛車が退院したことは以前記事にもしましたが、今回はその内容について、マニアックな記事になります。

 

自転車要素は一切出てきませんのであしからず…

 

 

 

 

 

そもそもスーパーストラットサスペンションとは?

という話ですが、

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レビンのカタログにこのようにあるように、ロアアームに追加されたキャンバーコントロールアームによって、車両旋回時のタイヤの設置面の変化量を抑制する、ダブルウィッシュボーン式に近い機能をストラット式で実現したというもの。

 

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ダンパー下部も変形大根みたいな形をしています。

 

当時はトヨタ渾身の画期的なシステムでしたが、このシステムには弱点も多く、採用された車はほんの僅か。

 

 

僕の知る限りでその弱点を挙げると、

 

ストローク量が少ない

・構成部品が重い

・アフターパーツがほとんど無い

・部品の消耗&劣化が顕著

・整備費用が高額

 

と言ったところ。

ほんの僅かしか出回っていない構造ゆえに、交換用のサスペンションも無いし、複雑な構造のため整備費用も高額になるとか。

サーキットなどで走ると、その有効性も少ないような話も聞いた。

 

実際、チューニング屋も見限ったという話もあるそうだ。

 

ストリートユースではメリットも感じられた。

 

トルクステアが少ない

・純正状態でもよく走る

・ハードブレーキ時の安定性が高い

 

など。

ハンドルも思ったより軽く、特に変な癖も無く、ワインディングも安定してスムーズに走れた。

 

 

しかし、中古車購入から2ヶ月ほどで足廻りからコトコトと異音が聞こえ始め、最近は公害レベルの音量でギシギシ軋むようになってしまった。

 

スーパーストラットサスペンションの持病でもある、キャンバーコントロールアームのジョイント部の消耗だ。

 

この部分はピロボールジョイントらしく、ストロークによりかなりの負荷がかかる部分なので、距離を走れば消耗するのは頷ける。

 

調べて色々なケースを目の当たりにしたが、大体距離にして10万キロ行かないくらいで限界を迎えるみたいです。

異音を無視して走ることも可能だが、消耗が進むと安定性にも影響が出てくるそうな。

 

 

僕の車も9万キロ弱の走行距離でしたので、異常が出るまで時間の問題だったのだろう。

 

おまけに年数も経っているので、劣化も進んでいたのでしょう。

 

 

 

 

僕はこの車の購入を決めてから、納車されるまでの期間で既にノーマルストラット化を計画しており、あらかじめ部品取り車から足廻り一式を調達しておきました。 

 

なので異音が出始めてすぐにノーマルストラット化の作業ができたのです。

 

 

 

 

 

 

 

ノーマルストラット化。いわば通常のマクファーソン式にするという作業だが、この車にはいくつかグレードが存在し、僕が乗る最高位グレードのBZ-R以外は皆ノーマルストラットである。

使用しているプラットフォームは共通なわけで、つまりは足廻り一式を他グレードの車体からそっくりそのまま移植して付け替えることが可能となります。

 

 

 

 

ただし、交換する部品のうち、一部性能が低下する部分があります。

 

それがブレーキ。

 

スーパーストラット車は15インチローターに2ポッドキャリパーなのに対し、ノーマルストラット車は14インチローターに1ポッドキャリパーなのです。

 

重要な部分をグレードダウンせざるを得ないのだ。

もちろん、スーパーストラット用を流用する方法も存在するのだが、前例も少ないし、知識不足だったので、リスク回避のため今回は素直にグレードダウンを選択しました。

 

ただし、グレードダウンの影響を少しでも減らす為に、スリットローターや高摩擦パッド、ステンレスメッシュブレーキホースなどを組み込む事にしました。

 

その為に、だいぶ予算も膨れ上がりましたね…

 

でも2月から6月までの間で全ての部品を揃えて、晴れて作業に取り掛かれるところまで来ました。

 

作業は元々自分で行う予定でしたが、レーススケジュールなどが重なってしまい、なかなかまとまった時間が取れなかったのと、いざという時のツールや技術が無いと心配だったということもあり、お世話になっているカーメイクヒロ様に作業を依頼しました。

 

 

 

 

 

 

まず用意した部品から。

 

純正部品で揃えたもの

 

・ノーマルストラット用ロアアーム

・ノーマルストラット用ナックル

・ノーマルストラット用1ポッドキャリパー

・ノーマルストラット用ABSセンサー

・ノーマルストラット用スタビライザー

・ノーマルストラット用スタビライザーブラケット

・ノーマルストラット用ステアリングラック一式(念の為)

・ハブ&ハブベアリング(新品)

・ブレーキキャリパーOHキット(前後)

 

社外部品で揃えたもの

 

・ロアアーム用ウレタンブッシュ

・スタビライザー用ウレタンブッシュ

・ロアアームバー(補強)

・ストラットタワーバー(補強)

・全長式車高調キット

・6スリットブレーキローター(前後)

・ステンレスメッシュブレーキホース(前後)

・ブレーキパッド

 

以上の部品を調達。

 

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ステアリングラックに関しては形状が違うので念の為用意しましたが、タイロッドの調整範囲内で組むことができたのでスーパーストラット用をそのまま使用しました。

 

 

 

 

ノーマルストラット部品は中古だったので、ブッシュやベアリング類は全て新品に打ち替えました。

 

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ブレーキローターも元々傷んでいたので、前後とも新品のスリットローターにしました。

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その他、剛性アップでシャープなハンドリングを狙い、交換に伴い同時に作業できるロアアームバーや、ストラットタワーバーなども用意。

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結果、部品だけで30万ほどかかりました…

そこに、ブッシュやハブベアリングの打ち替え工賃や組込工賃を含めて合計40万くらいですかね。

 

 

そこまでしてノーマルストラット化する意味はあったのか?

グレードダウンだぞ…

 

 

と思うかもしれませんが、実際のところ、ものすごく満足しております。

 

 

 

作業を終えた車の足廻りです。

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シンプルなノーマルストラットサスペンションです!

長期的に乗ることを考えたらシンプルなノーマルストラットの方が絶対良いはず。

 

 

 

所々に社外部品や補強部品が見えるのはなかなか萌え要素であります。

 

不安だったブレーキも、タッチも制動力も純正パワーでは申し分無し。

サーキットを本気で攻めない限り不足は感じないかと…。

 

 

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前後とも2〜3cmほどローダウンしました。

実はこの状態で最低地上高はギリギリなんです。(あくまで合法チューン)

 

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ロアアームバーが無ければもう少し下がりますが、これくらいがバランスも良く上品なので僕好みです。

この車高でもタイヤ止めにマフラー擦ります…

 

 

走りの方はかなりリジット感が増しました。

高速走行の安定感はもちろん、足廻りが硬くなったので切り返しの応答もキビキビするようになりました。

 

コーナーでも思ってた以上によく曲がってくれるので、走っていてとても気持ちが良いです。

 

ローダウンしたりキャンバー角をつけたりした代償として、ハンドルが重くなったがこれは問題ない。むしろ歓迎←

 

 

まだ正確なアライメント調整をしたわけでは無いので、ある程度の慣らしが終わったらアライメント調整をしに行くつもりだ。

 

 

足廻りの構造変更&リフレッシュにより、フロントはとてもリジットな感覚になり、構成部品も軽くなっているので、軽量化も実現しています。

 

そしてフロントがシャキッとすると、リアのフニャフニャ感を強く感じるようになりました…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく、古のシステムを脱することができ、フロントからの異音も綺麗に無くなったのだが、同時に今度はリアから異音が発生した為、その原因を捜索中です。笑

 

これはメカニックに一通り見てもらっても原因がはっきりしなかったので、厄介な問題かもしれません…

 

車いじりの沼は当分抜けられそうにありませんね。お金が…

 

 

 

 

 

それではまた。