オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

栓が開けられない



 

お久しぶりのレースブログ。

 

昨日から山口県に来ております。

 

今日は長門市で開催された

 

山口ながとクリテリウム

 

でした。

 


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初開催となる本会場は、1周800メートルという極端に短い周回コース。

宇都宮競輪場2周より短いんです。

 

コースの下見をしてみると、道幅は狭く、ほぼ全てのコーナーのレコードラインにグレーチングなどの障害物が存在し、かなり危なっかしいコース。

 

各ストレートも短いので、踏みどころも限られてくる。

 

このようなコースだと、一度逃げなどで差がつくと、そう簡単にその差を詰めることができないのだ。

良くて一周一秒とか…

 

 

それを警戒して、僕らは最後のスプリントというよりも、逃げでの勝負に出ようとプランを組みました。

 

 

 

 

 

スタートも早めに並び、出来るだけ前の方に陣取る。

 

一周のローリングの後、全50周回のレースが始まる。

 

早速縦一列の棒状の展開で、コーナーを攻めないと前に上がれない。

 

前方でスタートしたから良いものの、コーナーを立ち上がったらすぐに次のコーナー…また立ち上がったらすぐコーナー……

 

これはかなりキツイ。

 

序盤の数周でアタックがあり、3名ほど抜け出すのが見えた。

飛び出しているチームとコースの特性上、これを行かせてしまうとそのまま逃げきられる可能性が高く、僕はそれを追った。

 

追い付いた直後に前を走る選手の落車でストップしてしまったが、ニュートラルで復帰。

 

先頭と少し離れたところで再スタートさせられたが、なんとか合流。

 

これで光さんと僕の2人、そしてキナンの中島選手と右京の宇賀選手の4人の逃げになる。

 

少しして後ろからアベタカさんが追っているとの無線が入り、すぐに合流すると、ブリッツェンが3人という有利な逃げグループが出来上がった。



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数的有利な状況を作り出せた我々は、リードを広げるべく3人でローテーションを続け、およそ半分のレース距離を消化する頃にはメイン集団をラップすることになった。

 

 

 

ラップ?

ロードレースのクリテリウムで?

 

と、思った方も多いだろう。

我々もそう思った。

 

 

トラックレースのラップとはまた要領が違い、選手達は混乱する。

 

集団後ろに追い付いてしまった我々もどうして良いか分からず、無線で情報を待つしかなかった。

 

 

逃げていた我々としては、長く延びたメイン集団の最後尾にいると、コーナーの度にリスクが伴うし、集団が中切れした場合にはせっかく稼いだアドバンテージを失うことにもなりかねない。

 

臨機応変にチームメイトと話し合い、中切れした集団を交わしつつ、レースを続ける。

 

残り15周回時点で逃げとメイン集団の差が30秒以上あった場合には、メインと逃げを分けてレースを続行する、との事前情報はあったが、その辺りの全体の認識も甘かったようだ。

 

 

 

終盤に差し掛かる頃にはメイン集団も数を減らし、我々もその先頭に迫ろうとしていた。


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そしてメイン集団がコースアウトさせられ、コース上には我々5人しかいなくなる。

 

残り10周を切ると、アベタカさんを筆頭に我々の攻撃が始まる。

 

我々の誰か一人がアタックすれば、必然的に敵チームの選手はそれを追うことになる。

それを残った我々がマークすれば、追う選手には脚を使わせ、アタックが潰されてもまた次の攻撃で優位に立てる。

 

数的有利な状況を生かした波状攻撃というやつだ。

最近のロードレースでキナンに散々してやられていたものだ。

 

今回は運が味方し、我々がその戦術を取ることに成功した。

 

 

 

光さんのアタックはしばらく続いたが、間も無く吸収されようというところ。

残りは3周を過ぎた。

 

第1ターンで中島選手がスリップアウト。

アベタカさんは交わせたが、右京の宇賀選手が巻き込まれてしまう。

 

最後尾にいた僕はクリートを外しながらもフルブレーキング覚悟でなんとか交わして、先行する光さんをアベタカさんと共に追う。

ディスクブレーキ様様だ。

 

 

これにより、最終局面でブリッツェンの3人のみが先行するという展開になった。

 

難なく残り周回を3人でこなし、最後のゴール前では手早く着順の相談。

アベタカさんの提案で、光さんが勝つということになった。 

 

これに僕は何の異議も無い。

3人だけのこの展開になった時点で僕は勝たないと決めていた。

 

もし5人のまま最後まで勝負がもつれたならば、タイミングで単独で飛び出して勝負しようかとも企んではいたが。

 

 


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そうして出来上がったのがこの構図。

 

素晴らしい!

気持ちの良い表彰台独占勝利を飾りました。

 

 

最近は負け続きだっただけに、皆で喜びました。


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シャンパンファイト(中身は地元産のスパークリングワイン)ではちょっとしたアクシデント。

 

事前にレクチャーされた栓の開け方では開かないのだ…

 

2人は間もなく開栓できたが、僕は最後までなかなか開けられず…

最後まで開けられずに困惑する僕の哀れな絵が残ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 


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今回の結果から、僕は再びスプリントポイント賞のブルージャージを獲得することに。

 

更に途中の周回賞を獲得した僕にはなんと副賞も。

 

スパークル大分の選手がプロデュースした最近話題の珈琲豆と、ツールが入っていました!


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ちょうど家の珈琲を切らしていたのでありがたい!

この珈琲のオススメの淹れ方は何でしょうか??


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この工具は先端も変えられるようなので汎用性が高い!

自分のツールボックスに一軍工具として迎え入れることにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

明日は秋吉台に舞台を移し、久々のカルストロードレースです。

 

この勢いで明日も勝利を狙います!

 

 

 

 

 

それではまた!