3年ぶりにシーズン最後を沖縄で迎えました。
とても懐かしいこの感覚。
沖縄の空気。どことなく他のレースとは違う雰囲気。
朝4時の朝食から始まった当日は、髪の毛が爆発している選手達が眠たそうにしながら食事をする。
朝から雨が降り、皆憂鬱そうだ。
僕も憂鬱だった。
スタート地点に向かうと、雨が少し弱まってきた。
幸いにも沖縄はこの季節でも雨が降っても寒くない。
気分が晴れないまま6時45分のスタート。
ちょうどこの日の日の出の時刻だ。
スタートするとアタック合戦が始まるが、朝イチのそれはどれも切れ味に欠ける。
僕らも序盤から逃げに乗っていきたいプランだったので、その機会を伺うが、コースも序盤は平坦基調なのでなかなか決定打が出ない。
そんな中、少しアタック合戦が中弛みしたタイミングで宮崎くんが飛び出す。
いいタイミングのアタックだったが、これに便乗する選手は無く…
ここから宮崎くんの120kmに及ぶ独走劇が始まることになった。
宮崎のアタックを容認した集団は一気にペースダウン。
サイクリングペースで距離を消化していく。
1度目の上りを前にレバンテのバトムンク選手が1人で追走を始める。
1回目の普久川の上りを越えて、最北端の辺戸岬あたりからブリヂストンがコントロールする動きを見せるが、ペースが上がったわけでは無い。
この時、宮崎と集団のタイム差は11分を超えていた。
やがて2度目の普久川の上りで右京やキナンがペースを上げ始め、宮崎の逃げは上り切った少し後で終わった。
宮崎は本調子では無かったものの快走を見せ、一度のスプリント賞と山岳賞を獲得!
その少し後でレバンテの選手も吸収され、集団は一つになった。
誰もが最有力の右京の出方を伺っているようだった。
我々も4人を集団に残して次の動きに備えていたが、東村あたりを前にアタックが始まり、新城選手をきっかけに、吉岡選手、エンクタイヴァン選手、僕の3人が反応。
一時は4人の逃げになるが、上りでは脚の残り具合に差があり、思うようにペースが上がらない。
僕としては最後の羽地の上りを有力選手と真っ向勝負することは避けたかったので、この逃げは願ってもない好機だったのだが、それを失うのが嫌で、ローテを嫌う選手を他所に、僕が筆頭となりペースを作ることにした。
ところがこれが失敗。
まさかの単独逃げになってしまう。
まだ脚があるように見えた新城選手を前で待っているつもりだったが、せっかく築いた集団とのタイムギャップを失うのが怖く、脚を止めて待つのを躊躇ってしまった。
結果、新城選手の合流は叶わず、単独で行くところまで行くしか無くなった僕は、一か八かをかけた独走態勢へ。
タイムギャップは1分。
残り距離20km。
チームカーの監督から行け!行けるぞ!と激励され、もう今更引き返すという選択肢は無くなった。
羽地へ向かうまでの地味にきついアップダウンと向かい風が僕を苦しめ、更に後ろは右京勢が盤石の態勢で上りへ向かっていたという。
一人で苦しみながら逃げている時ずっと、
「僕は増田さんかもしれない」
「増田さんの走りができるかもしれない」
「今乗っているのは増田さんが乗っていたバイク。だから行ける!」
と自分に言い聞かせていたが、僕はとんでもない勘違いをしていたようだ。
僕は増田さんほど強くないし、仕掛けるタイミングとか、展開の読み方とか、まるで下手くそだった。
やがて、虚しく羽地の上りに差し掛かったタイミングでペースが上がった集団に飲み込まれ、そのペースについていくことすら出来ずに僕は遅れた。
欲を出して無謀な挑戦をして勝機を棒に振ってしまった。
自分勝手に走った僕に代わって、アベタカさんが6位に食い込んでくれた。
僕は上りで遅れた選手と共にゴール。
順位など知らない。
よくよく考えれば、あの時独走を始める前、新城選手と吉岡選手を待って、上手く3人で逃げていれば、右京の動き方も変わって逃げ切りの可能性もあったのかもしれない。
新城選手と2人だったとしても、1人で逃げるより遥かにマシだったはず…
自分の判断の甘さにウンザリだ。
良いように言えば、チャレンジングな走りをしたと言えるのだろうが、選手として見れば無謀そのもの。
増田さんですら羽地の上りからの独走なのに、それよりも前から僕が逃げ切れるはずも無いだろう。
シーズン最後のレースをなんとも複雑な思いで終えることになってしまった。自業自得だが。
でも、宮崎が山岳賞獲得して表彰の機会を作ってくれたし、チームとしても存在感のあるレースができた。
終わったことに後悔してももうしょうがないし、この日の経験を今後に活かせるようにしたい。
さあ!待ちに待ったオフシーズンを楽しもう!!
先ずはA&Wのジャンク飯から!
地元オリオンビールはもちろん!
夜はみんなで打ち上げ!!
レース後の沖縄の夜はとても楽しかったです。
今日から僕は一泊長く沖縄滞在。
今回は新たな旅プランを立てているので、近況報告を楽しみにしていただければと。
改めて、今シーズンも沢山の応援ありがとうございました!
シーズン序盤から今日まで走り抜くことができたのは、沢山の応援があったからこそです。
とても沢山のことを経験できた、過去1番の良いシーズンだったと思えます。
少しばかりオフシーズンを楽しんで、また新たなシーズンに向けて進んでいこうと思います。
それではまた。