オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

異国で迎える誕生日

 

 

トルコの首都、アンカラで迎えた今日。

 

相変わらずひどい宿のせいであまり良く眠れた気がしなかった。

 

まだ寝ていたいのに、早朝のオジサンの歌声で目覚め、ボットントイレで用を足す。

 

昨日手洗いした洗濯物が絶妙に乾いていないのにガッカリし、ケータイを開く。

 

数件入っているメッセージを見て、今日が自分の誕生日だということを再認識する。

 

 

すっかり疲れて自分の誕生日かと考える余裕も無かった。

 

時差の都合もあり、28歳を数時間長く過ごしたことになるのかな…

日本に帰れば結局変わらないのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ

 

僕29ですか…

 

 

 

 

改めて認識すると、妙な焦りのようなものを感じる歳になってしまいました…

 

これがどこからくる焦りなのか。

 

 

いや、いいや。あまり気にしないでおこう。

 

 

 

今朝は8時前にはバンに荷物を積み込み、アンカラの空港へ移動しました。

 

宿に食事提供が無いので、この時の朝食は監督が近くで買ってきた惣菜パン1個。

 

 

バスに乗り込み、景色を見ながらようやく帰れるな…なんて思っていたら、急にみんな揃ってハッピーバースデーの歌を歌い始めるじゃあないか。

 


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朝食の買い出しに加え、監督が用意してくれていたらしいケーキが現れる。

 

いつだったか海外遠征中に誕生日を迎えた際には、レース期間中ということもあり、ちっこいスイーツしか食べられなかったが、今回はレースの翌日ということもあり、思う存分楽しめる。

 

移動中の車内はとても揺れるので、空港でチェックインを済ませた後にみんなで食べました。

 


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朝食が少なかったので、みんなで何か食べようという話になり、僕は空港でお馴染みのバーガーキングを食す。

 

この手のモノは日本で食べるものより食べ応えがある気がする。

 

 

 

 

昼の便でイスタンブールへ。

 

アンカラだと1時間と少しで着く。

 

ここから現地時刻の翌日2時の便で大阪へ帰るのだが、そのトランジット時間はおよそ12時間。

(ちなみにブログを書いている現段階で飛行機に遅れが出て2時55分発になった)

 

 

これを見据えて、事前にイスタンブール空港での長時間トランジットの過ごし方を調べていた僕。

 

見つけたのはターキッシュエアラインズを利用してイスタンブールでトランジットを6時間以上過ごす人を対象に、無料でイスタンブールの観光名所を巡ることができるツアー。

 

これは最高じゃあないか!

チームメイトにもあらかじめこのことを伝え、みんなで楽しみにイスタンブールへ辿り着く。

 

しかし世界トップクラスに広いイスタンブールの空港でツアーデスクを見つけるのに彷徨い続け、ようやくの思いで見つけたデスクでは、国内線からの乗り継ぎではこのツアーは利用できません。と告げられる。

 

要はトルコ国外からトルコ国外へのトランジットでのみ対象となるようだ。

 

これは僕の下調べミスか…

 

みんなで肩を落とす。

せっかく時間もあるのだから、外へ出ようということになり、一度出国のスタンプを押されたパスポートを面倒な手続きを経てキャンセルし、空港から市街地までのシャトルバスに乗り込む。

 

市街地行きのバスを待っているとき、目の前に停まっていたのが乗りたかったツアーのバス。


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ツアーイスタンブール

乗せてくれたって良かったじゃんか!

 

 

 

 

僕はこの限られた時間内でならグランドバザールがいいかなと目的地を皆に言うと、皆もその方向で良いとのことで、皆で行動を共にした。

 

空港から約1時間。

 

終点で降車し、路面電車(トラム)に乗り換えてグランドバザールまで。

 


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少しばかり現地で楽しむためのお金を両替し、散策へ。

 


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少し歩くだけでも見慣れない景色の中なので楽しめる。

 

 

 

そして、早速トルコに来たら食べたいトルコアイスを見つける。


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トルコアイスにも味付きがあるんですね。

初めて見たのでイチゴ味にしました。

 

伸びるイチゴ味は新鮮でしたが日本のコンビニアイスの方が美味しいです。

 

それにめちゃ高かったです…

 

 

 

集合時間を決めてグランドバザールを自由に散策することにして、僕は中村と店舗を巡った。

 


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地下ダンジョンのように入り組んだグランドバザールは露点で溢れかえり、沢山の観光客で賑わっていました。

 

ある程度欲しいモノは絞っていたので、品揃えの良さそうなお店で価格交渉をしながら買い物を楽しむ。

 

「今日は僕の誕生日なんだよ!だからプレゼントだと思って安くしておくれよ!」

 

と、嘘偽りの無い今日しか使えない武器を振りかざしながら交渉したりした。

 

 

少し予算オーバーしてカードを切ったりしてしまったが、楽しめたので良しとしよう。

 

買ったモノは後日公開します。

 

 

 

 

一通り買い物を済ませ、集合時間に合流し、近くの店で夕飯を済ませてから空港へ戻ることにした。

 

 

入ったのは地元のリーズナブルなケバブ屋のようなところ。


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何故かケバブではなくラザーニャと料理名は分からないビーフミックスを食べた。


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デザートには初日に味見程度に食べたミルクライスのプリンのようなものを1人で一つ贅沢に頂いた。

 

これ、結構好きです。

 

 

 

 

 

腹も膨れたところで、余裕を持って空港に戻ることにする。

 

再び出国手続きをして、出発ロビーで15€のシャワーを浴び、こうしてブログを書いている。

 

まだあと3時間弱あるわけだが、どうしたものか…

 

 

1部ではあるがイスタンブール散策を楽しんだ誕生日になりました。

 

 

 

 

 

 

各方面から沢山のお祝いメッセージを頂きました。

 

皆さんありがとうございます!

 

29歳になったオノデライダーも引き続き応援よろしくお願いいたします!!

 

 

また日本でお会いしましょう。

 

 

 

それではまた。

長く辛い時間

 

 

TOUR OF ROUTE SALVATION

 

今日が最終日。

 

第4ステージは獲得標高が2000mを越える期間中最長の168km。

 

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この期間中最後にして、昨晩からお腹の調子が悪くなってしまい、今朝からお腹がグルグル。

 

海外遠征でお腹を壊したこと無かった僕としてはここで崩してしまったのが悔しい。

 

持ってきたビオフェルミンを飲んでレースに挑む。

 

 

序盤はフラット基調なので、アタックのチェックも数はこなせなかったがなんとか走れている。

 

しかし上りになると誤魔化しが効かないので、最初の山岳ポイント手前の上りで分断に耐えられず遅れる。

 

しかし集団も疲れている選手が多かったのか、遅れている選手も多くその後の集団復帰は早かった。

 

 

1つ目の山岳ポイントは思ったよりあっけなく終わった。

 

レオがアタックしたことによりペースも落ち着いていたのに助けられた。

 

下りから次の山岳ポイントまではチームメイトと合流して走るが、どうも余裕が無い。

 

チームのためというよりも、今日のステージをいかにして乗り切るかということを考えていた。

 

2つ目の上りに差し掛かるとやはりキツイ。

なんとかしがみつくように走るがジワジワ遅れていく。

 

単独で遅れれば後がないので、なんとかついていけるペースのグループを探す。

 

すると昨日のグルペットで一緒だったメンバーが同じように遅れていたので、そこに合流してゴールを目指すことになった。

 

2つ目の山岳ポイントを超えたあとも、いくつかパンチのある上りが続き、残り25kmくらいでしっかりと下り基調になる。

 

ここまでくればあとは惰性でゴールへ辿り着けるようなもの。

 

トルコの首都、アンカラが見えてくる。

 

 

 

結局なにもできずにただ完走するだけのステージになってしまったのが悔しい。

 

 

今シーズン初のステージレース。

環境も体調も含めて過酷なレースだった。

 

 

 



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レース後にアキンさんがくれたご当地ビール

割とクセがなくさっぱりした味で好みだった。

 

 

 

最後の宿くらい良いところを用意してくれているだろう…

トルコの首都なんだし。

 

という淡い期待を見事に裏切って、今日も安定の男子寮。

しかも汚くエレベーターも無いため、疲れた身体で重いキャリーを手持ちで5階まで運ぶことになった。

 

さらには食堂も機能していないとのことで、みんなで自転車の梱包作業を完了させ、近くのケバブ屋に行くことになった。


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おそらくトルコ最後のケバブ

 

秋葉原のスターケバブの方が好きです。

 

 

 

2週間近くチームに帯同し、マッサージを含め様々なサポートをしてくれたアキンさんとも今日でお別れ。

 



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アキンさんのおかげでチームはとても助けられ、充実した遠征になりました。

 

色々な話をしてくれたし、かなり面白い人でした。

またどこかでお会いしたいものです。

 

 

 

 

さて。明日は朝からアンカラを発ち、イスタンブールで半日近いトランジットを経て日本へ帰ります。

 

長い旅。荷物も自分も無事に帰れることを祈ります。

    

 

 

 

 

期間中沢山の応援ありがとうございました!

 

次のレースに向けて頑張ります。

 

 

 

 

それではまた。

こんなに走れなかったか

 

 

TOUR OF ROUTE SALVATION

第3ステージの今日から山岳コース。


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2級と1級の2つの山岳を含む獲得標高が1700mの147kmのレース。

 

町から町へ、スケールが大きいラインレースは日本には無いので面白さはある。

 

 

今日は昨日よりかはまだマシな心構えで臨めたが、走りはというとあまり良いものでは無かった。

 

 

スタートしてしばらくは平坦基調が続くレイアウト。

 

簡単に少数人の逃げが容認され、集団はストップ。

 

スプリントポイント手前で横風アタックがあったものの、特に何もなく終わった。

 

集団は一つのまま最初の山岳へ。

 

レオの声かけでチームでペースを上げて頂上を目指すことになる。

 

一人ずつロケット方式で前を引き、ペースを上げながら駆け上がる。

 

僕は並びでは4番手の位置だったが、頂上まで残り500mあたりでどうにも踏ん張りが効かなくなり、牽引からドロップ。

 

久保田、レオ、ベンさんに任せきりになってしまった。

 

レオは頂上の山岳ポイントにトライしたが、ここはトップ通過できず。

 

 

 

少し遅れた僕は下りで集団復帰。

 

次の上りに備えてチームメイトにボトルを運ぼうとするも、後ろの集団にチームカーが引っかかってしまっていたようで、ニュートラルサービスから水のボトルを受け取る。

 

全員に渡し、次の山の麓まで牽引。

 

ペースアップを指示されたが、余裕を残せていなかった僕は上り始めのわずかな距離で牽引からドロップ。

 

ペースの上がる集団には残れず、マイペースで山を越えることになった。

 

途中なんとかしがみついたグルペットでゴールまで帰還。

 

 

こんなに走れないものかと自分にガッカリした。

 

 

 

明日は最終日。

獲得標高は2000mを越える期間中最長のステージ。

 

GC勢が最後の戦いを繰り広げるであろう。

 

僕はみっともなくしがみつくしか無さそうだ。

 

できることがあれば最善を尽くそう。

 

 

 

 

 

 

 


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今朝の宿からの眺め。

アキンさん曰くこの場所は夜景もとても良いらしいが、寝る時間を考えると見に行くことができなかったのが悔やまれる。

 

アマスヤなんて観光で訪れることすら無さそうな町だけに、こういった機会にもっと楽しみたいものなのだが。

 


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この宿では常に食堂に猫がいて、食事をしていると物欲しそうにこちらを見つめてくるのが可愛かった。

 

ちなみに今日の宿も例のごとく同じような寮のような施設なのだが、食堂フロアが10階ということもあり、猫はいない。

 

米は一番マシだった。

今朝の米は最悪だった…

 

 

 

トルコに来てから不衛生な刑務所のような宿での生活が続いていて流石にそろそろシンドい。

 

今は清潔なシャワーを浴びて快適なベッドで睡眠をとりたい。

 

 

 

 

それではまた。

少し弱気だったが

 

 

少し落ち込んだ気持ちで迎えた第二ステージ。


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上りスタートから山を超え、下り基調でアップダウンを繰り返しながらゴールへ向かう134km。

 

ようやく長く滞在したサムスンの宿を離れ、1時間ほどかけてスタート地点へと向かう。



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各チームにチャーターされたマイクロバスが1台ずつ帯同しており、レース前後はこれで移動する。

 

 

今朝は絶対に日本から連れてこられたであろうボクシーを発見し、少し故郷を感じる瞬間だった。

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昨日の落車のダメージはといえば、生傷が痛む外、少し腫れているくらいで走る分にはそれほど影響が無さそうだった。

 

とはいえ気持ち的にはあまり上がっておらず、スタートしてから前半は消極的な走りをしてしまった。

 

気持ちがついてこないとレースを走るだけでもかなりシンドいもの。

走りながら自分を振るい立たせる。

 

ハイウェイのような道のだら上りを越え、今日の唯一の山岳ポイントへ。

トルコもヨーロッパらしい地形で、ゆるい勾配が長く続くレイアウトが多い。

 

 

何度か逃げも出たが、山岳ポイント通過前に集団は一つになっており、レオがポイント手前でアタックを決め、一位通過した。

 

僕は少しシンドさを感じながらも先頭付近で山を越え、湖畔の道へと入る。

 

 

すると間もなく、集団内で突如出現した路面の穴を避けきれず前輪をヒットさせてしまいパンク。

 

幸い集団が落ち着いているタイミングだったので、すぐに後ろにさがりチームカーでホイール交換。

さがったついでにチームメイトに渡すボトルと氷を持って集団復帰。

 

 

そこからは湖畔を抜けるまでは平穏な時間が続いた。

 

湖畔の道を抜け、下り基調の区間に入ると再びレースが動く。

 

下り基調とはいえ、突然上りが現れたりして、しかもそれが思っていた以上にパンチがあったりする。

 

その地形を利用してドイツ籍?の同チームの2人が飛び出し、差が広がった。

 

これを集団は追う姿勢を見せず、上りでペースアップもあり少し割れたりはしたが下りで合流し、残りは30kmほど。

 

我々はベンさん、レオ、久保田、僕が集団に残り、キナンの呼びかけで久保田が集団の牽引に参加。

僕は最後のレオのフォローに回ることにした。

 

結局逃げ切りを許してしまったが、その後ろでベンさんとレオを引き連れ、ラスト数キロからはできるだけ安全な前方を確保し、最後の直線はレオの山岳賞を固いものにすべく、不完全ながらリードアウトをした。

 

集団の頭をとればポイント圏内だったが惜しくも届かず。

しかし山岳賞ジャージはこれで確定した。

 

 

 

気持ち的に少し厳しいと思っていたが、なんとか無事にゴールにたどり着けてまずは一安心。

 

 

 

明日からは獲得標高がさらに増えるタフなコースになるので僕ができることは限られてくるだろう。

 

なんとかやれることをやって乗り切りたい。

 

 



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今日の宿も変わらず学生寮的な場所。

今までで一番綺麗なのは良いのだが、当たり前のように空調は無く暑い。

 

景色はまぁまぁ良い。

 

 

食堂には猫が数匹うろうろしている。



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大人しく良い子さんたちだ。

流石は猫が多い国。

 

 

あと2日。応援よろしくお願いします。

 

 

それではまた。

初日から

 

 

トルコ3戦目は4日間のステージレース。

TOUR OF ROUTE SALVATION

 

今日が第一ステージ。


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宿のあるサムスンの街から2つくらい先の街まで向かう151kmの平坦ステージ。

 

直前にコースが変更され、トレーニングで何度か走った自然公園を経由しないほぼ一直線のコースへ変更となり、118kmのレースでした。

 

僕が勝負できるとしたらこのステージを含む前半2ステージなので、主軸をベンさんの総合に置きつつ、狙っていくスタイルで臨む。

 

前半は直線路になったことで、予想通り逃げが決まりづらい展開となった。

 

何度かトライするも決定打にはならない。

 

大通りから一度、右に曲がって川沿いへ入るのだが、その先からがほぼ未舗装路の危険な区間が続く。

 

そこまでに逃げができなかった場合はチームで前に固まり、極力トラブルを避けるように話合っていた。

 

レースでも概ね予定通りの動きはできていた。

 

スリッピーな未舗装路区間も、先頭が見える位置でクリアしたおかげで危なげなく通過できた。

 

その先にある山岳ポイントは、小集団が少し先行する形になり、そこに僕がいたので狙える位置にいたのだが、単独の飛び出しを許し牽制モードになってしまい、結局その後ろは争わずに通過することになる。

 

後に起こることを思えばここでフルもがきしておいた方が悔いは無かったと思う…

 

 

僕的にはこの山岳ポイント以降に逃げが決まる気がしていたので、ここから周りの動きにより注意を払っていた。

 

案の定、大通りに戻ると有力な飛び出しが出来、一度乗り遅れたが、上手くベンさんがカウンターの動きをしてくれたので、その勢いで最終便で合流した。

 

 

8人くらいになった逃げ集団は全員が協調態勢で綺麗にローテーションを周り、安定したペースを刻んでいた。

 

ただ、なかなかモトからタイム差のボードが出されないあたり、決定的な差はついていなかったのだろう。

 

それでも緩まずローテは続き、最初のスプリントポイントが近づく。

大通りから一度ビーチに寄り道するかのように右に曲がり、その先で180度ターンをしてすぐにスプリントポイントのゲートがある。

 

取れるものは取っておきたいと臨戦態勢だったが、その直前の180度ターンで単独転倒。

 

周りと同じスピードだったのに…

 

非常にスリッピーなトルコの路面に注意はしていたのだが、それでも為すすべなく。

 

幸い速度も低かったので軽度の擦過傷で済み、自転車もチェーンが外れたくらいなのですぐに復帰。

 

しかし逃げからは遅れてすぐ後ろに迫っていたメイン集団に合流。

 

ここからゴールまでおよそ30kmだった。

 

 

正直、路面が怖くなったし気持ちも低迷し、とても着を狙う気持ちにはスイッチできなくなってしまった。

 

それでも折返しからラスト数キロの間にはレオを安全な位置に引き上げたりすることくらいはできた。

 

 

ゴール前のレイアウトもなかなか危険で、先行していたベンさんが落車してしまう。

 

幸い3キロ以内のクラッシュで救済措置が取られて事なきを得たが、この路面の感じはこの先も少し心配だ。

 

僕も危なげない位置でゴールし、この日を終えた。

 

 

 

初日からしょうもない落車でダメージを負ってしまったのは辛い。

 

明日の朝はまた変なところが痛むのだろうが、ここはなんとか耐えて走りたい。

 

 

ラインレースのステージレースなのに今日はまた同じ宿に帰ってきている。

 

レースで先に進んだはずなのに同じ道を車で戻るのはちょっと嫌だった…

 

 

チームに傷の手当の道具が無く、他のチームや柴田さんの手持ちのもので何度か手当を終えた。

明日からが心配だがとにかく頑張るしか無さそうだ。

 

 

 

写真が無くつまらない内容になってしまい申し訳ありません。

 

明日も引き続き応援よろしくお願いします!

 

 

 

 

それではまた。

 

今度は海へ

 

 

高い山を臨む標高が高いカイセリの街を離れ、今は黒海を臨む海辺の街、サムスンへ来ています。


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カイセリからサムスンまではチャーターしたマイクロバスで陸路移動。

およそ6時間、そこそこ揺れて途中は暑いバスの車内にすっかり疲れてしまった。

 


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道中は変わり映えの無い景色の中をひた走る。

街と街の間がこれほど何も無い様は日本では見られない。

 

 

 

 

 

サムスンの街の様子は海辺ということもあり、カイセリと比べていくらか陽気な気がする。

 

昨日からのトレーニングは近くの自然公園?のような場所へ走りに行っている。

第1ステージのコースでもある。

 

道中では牛?水牛?ヌー?の群れが道路を横断したり、様々な種類の野鳥が飛び交ったりと、スケールの大きい大自然を感じられます。


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ノンストップで数時間走り続けられる環境を堪能している。

 


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レーニング後は時間が沢山あるので、チームメイトと近くのカフェへ行ったりビーチへ行ったりした。

 


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海辺のカフェということもあり、雰囲気はとても良い。

 


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次のレースまでの束の間、リラックスタイムを満喫している。

 

 

場所が変われどエアコンレス、洗濯機レスの生活の強いられており、それなりに大変ではあるが、前の宿よりいくらかマシだ。

 

イスラム系の国にありがちな1日に何度か聞こえる大音量のオッサンの歌も、この宿なら遠くに聞こえるのでそれに悩まされることはない。

 

 

 

しかしそろそろ日本の水回りが恋しい。

 

無事に帰国することを目標に頑張ろう。

 

 

 

 

それではまた。

 

ターキッシュ・タイム

 

トルコのワンデイレース2連戦が終わって一息ついたのでブログでも書こう。

 

 

 

 

トルコに来て3日目の8月24日

 

この日はGrand Prix Soğanlı に出場しました。

 


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細かくアップダウンはあるものの、ほぼフラットの広大な114kmのコース。

 

遮るものが何も無い荒原を駆け抜ける。

 

主なコーナーが4つしか無い。

 

このスケールのコースはこのような土地でこそ実現できるのかもしれない。

 

比較的距離が短い平坦なレースということもあり、レースは激しくなることが予想された。

 

 

 

朝6時半には宿舎前からバスが出るとのことだったので、朝6時に朝食を済ませて、足早に支度を済ませて外に出る。

 

しかし他のチームはおろかバスすら来ていない。

 

今回の遠征でマッサーとして帯同してくださっている現地スタッフのアキンさん曰く、これがターキッシュ・タイムなんだそうだ。

 

結局、宿舎前を出たのはそれから30分ほど経った後だった。

 


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我々のようにチームでバンが無いチームはチャーターされた路線バスに自転車と共に乗り込んでスタート地点へ向かう。

 

大きいバスの割に峠道をかなり飛ばすので、自転車は暴れ放題。

 

押さえながらスタート地点へ向かった。

 

 

 

 

スタート&ゴール地点はありあわせの簡易的なもので、チームプレゼンといっても、チームの集合写真を撮って終わりという簡易的なもの。


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この辺は日本のホビーレースの方がまだしっかりしている。

 

 

 

ターキッシュ・タイムといえど、スタート時間はズレなかった。

 

スタートしてすぐは動きが無いまったりとした雰囲気。

 

最初に動きがあったのは最初の直線が終わる少し前の横風区間

 

カザフスタン籍チームが仕掛ける。

ハイスピードの横風分断により集団は散り散りに。

横風の中を路肩ギリギリを走るその様子は昔に苦い思いをしたZLMツアーを思い出すようだった。

 

僕はなんとかセカンドグループで耐え、先頭が見える位置で横風区間を終えた。

幸い、ヴィクトワール勢は全員前方の集団でクリアすることができ、次の左コーナーで追い風になってすぐに集団は一つになった。

 

仕掛けたカザフスタンのチームもやるだけやって落ちていったので、一体何がしたかったのだろうと思いつつ、また同じことが起こることに警戒することになった。

 

そこからはひたすらアタックの応戦。

ひっきりなしにアタックしては捕まりの繰り返し。

 

平坦で見通しの良いコース故に決まりづらいのだろう。

 

アタックの度にチームからは必ず誰かがチェックに回り、全員で後手を踏まない展開ができていた。

 

決定打はラスト20kmを切る頃にようやく決まった。

 

これには各チームの主要選手が乗っており、その差はすぐに広がった。

チームからは柴田さんが乗ったが、これに僕かレオが乗っておくべきだったのだろう。

 

僕もアタックの応戦の中で上手く人を見極める事が出来ず、良い逃げを逃してしまった。

 

 

結局逃げ切りを許し、メイングループでは集団の頭を取るべくチームで固まり、久保田→中村→ベンさん→レオと僕

といった順でトレインを組み、良い形で最後の上りゴールの直線へ入った。

 

レオの後ろにいた僕は後ろの動きを警戒しつつ、タイミングを見計らってレオにGOサインを出した。

それと同時に自分もスプリント態勢に入ったがいまいちキレが悪く、レオの後ろに1人入れてしまった。

 

レオはしっかり頭を取り、それが9位。

そして僕は11位。


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あぁ、またこれか。

あと一歩のところでポイント圏内を逃している。

 

僕はこんなことが多い。

 

 

 

期間中一番狙えるだろうと思っていたレースだったが、この日は身体の動きがあまり良くなかった。

この環境下で自分のコンディションをうまく整えられなかったミスだ。

 

少し後味の悪いレースとなりました。

 

 

 

 

 

 

翌日25日はGrand Prix Kaisareia に出場。

 

この日は宿舎のある場所からほど近い広場がスタート地点。

 


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カイセリの街をスタートして、山を迂回して昨日のコースの一部を通り、最後は2200m地点のスキー場を目指す128kmのコース。

 

 

 

昨晩からカイセリは冷え込んで、今朝もかなり肌寒かった。

ウインドブレーカーを着て会場へ向かう。


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ちょっとはトルコらしいと言える風景なのだろうか…

街中ということもあり、昨日と比べると会場は賑わっていた。

 

 

とはいえサインもプレゼンも昨日と同様の簡易的なもの。

 

 

この日は5kmのニュートラ区間を経てリアルスタートした。

 

とにかくタイトコーナーも無ければキツイ上りも無い単調なコースなので、序盤は落ち着かない展開だ。

 

 

しかしこの日はスタートから2〜30km地点で逃げが決まる。

 

昨日同様、アタックの動きにはチーム全体でケアに入っていたが、今日はこれに久保田が乗る。

 

後を追うチームも無く、集団のペースは緩み、差は一気に広がった。

 

しかしベンさんの指示ですぐに我々がコントロール態勢に入る。

逃げには昨年の同レースでリザルトの良かった強いトルコ人選手がいるとのことだ。

 

できれば2分ほどの差にどどめて欲しいとのこのだが、前が強力なのかジワジワとタイム差は広がっていく。

 

こちらは中村、柴田さん、僕の3人でローテをして追いかける。

他のチームは追う気が無いらしく、協調は得られなかった。

 

 

チームカーからの監督の指示では前は強力じゃないから僕らだけで頑張って追う必要は無いとのことだったが、改めてベンさんに確認すると、前は強力だから追わなきゃだめだとのこと。

 

この場合は現場のエースの意見を尊重すべきだと判断し、果てしなく感じる単調な直線路をひたすらに牽引した。

 

30km地点くらいから始めたコントロール

レースは120km以上ある。

 

この距離を3人で追わなくてはならないと考えると一時は絶望的にも思えた。

 

しかし連れていけば必ず勝てる選手を率いる身としては、簡単に諦めるわけにはいかない。

 

元々TTは得意なはずだと自分に言い聞かせ、チームメイトを上手く温存させるためにも極力長い時間を引くことを心がけた。

 


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単調とはいえ、前を引いていると僅かな風やちょっとした勾配変化もハードに感じる。

 

おまけにこの変わり映えの無い景色よ…

 

終わりの見えない20分走のトレーニングをしているようだった。

 

差は最大で3分ほどにまで広がった。

 

 

やがて長い直線路が終わり左へ曲がると、昨日の序盤に通ったコースを逆走で走るレイアウトになる。

この辺りで逃げから戻った久保田も合流し、4人で前を追う。

 

 

逃げ集団との差が縮まり始めた。

 

こっちが死に物狂いで追ってるのを察したのか、あるいは逃げメンバーの疲れが出たのか。

タイムの縮まり方からして諦めて足を止めているようにも思えた。

 

我慢比べで勝てたのなら嬉しいが。

 

 

 

上りに入る10数キロ手前で逃げをキャッチ。

この場合、理想としては上りの麓あたりで上手く捕まえたかったが、逃げが急に足を止めたので早めに捕らえる形になった。

 

そこから上りで勝負したいチームが前に上がってくるので、前のポジションを譲らぬように引き続き集団を引き続ける。

 

 

しかし僕は先の引きがいよいよ脚に来て、上りに入る直前でローテから離脱。

 

麓からは上りに向けてペースアップの予定だったので、そこからはほぼロケット状態だったのだろう。

 

チームからはレオとベンさんの2人をフレッシュな状態で勝負どころに送り込むことができた。

 

 

 

 

久々に長時間集団を引いて脚を使い切った僕はというと、当然長い山を上れる力も残っておらず、なんとか予備タンクの力を使って脚を動かしている状態。

 

同じく脚を使い切ったチームメイトと合流しながら、およそ15kmに及ぶ上りをゆっくりと上っていた。

 

後ろを振り返ると最後尾の回収バスがゆっくりと迫っており、その後ろは規制解除を待つ車の列ができていた。

 

なんかゆっくり上っていつまでも止めているのは申し訳ないなと思いつつ、降りろと言われるまで降りたくは無い僕は、とりあえず行けるとこまで行こうと漕ぎ続けた。

 

やがて後ろを走ってたチームメイトも回収され、僕はその前で追いついた選手と一緒に走っていた。

 

残り7kmくらいの地点で、いよいよすぐ後ろにバスが迫り、トルコ語で何か言われた。

 

なんとなく雰囲気から、

タイムオーバーだから降りろ〜

と言われているような気がして僕は素直にバスに乗車した。

 

しかし、一緒に走っていた選手からは降りる気配がしない。

 

バスが隣に並んでも止まらなかった。

 

 

結局一緒に走っていた2人はそのままゆっくりゴールにたどり着き、そのすぐ後ろでバスでゆっくりゴールした。

 

え、じゃあ僕が降りた最後の一人だった?

 

なんだよ、またあと一つのとこでDNF扱いじゃん。

 

 

こういう時に言葉を理解できないことが悔やまれる。

にしてもトルコ語は難しすぎるが。

 

 

 

 

 

しかしチームピットに帰るとベンさんの優勝の知らせを聞けてハッピーだった!

頑張った甲斐があったってもんだ。


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完全なアシストとまでは行かなかったが、少しでも勝利に貢献できたなら嬉しい。

 

やはり僕はエースをするよりアシストをする方が好きだ。

そこにロードレースの面白さがあると思っている。

 

 

 

 

レースを終えると、アキンさんが祝杯をあげようと外に連れ出してくれた。

 

たらふくピザやトルコ料理を食べた後、アキンさんとお店の人がサプライズで用意してくれたテラス席へ。


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シャンパンとデザートだ!

 


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洒落た(ように感じる)街並みの景色を眺めながらのシャンパンは良きでした。

 

 

アキンさんありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

明日は次のレースの開催地、サムスンへ向かいます。

陸路6時間。まぁまぁハードだ。

 

まぁしかしこの宿舎を出られると思うと嬉しいなぁ。

 

次の宿はもっとまともなことを祈ります…

 

 

 

 

遠く離れた地からの応援ありがとうございました!

 

僕は冴えない走りでしたが、チームとしては良い結果を得ることができました。

 

 

まだトルコ遠征は続きますので引き続き応援よろしくお願いします!

 

 

 

 

それではまた。