オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

いざ負けてみると

 

 

17日、日曜日はJCL2戦目の宇都宮清原クリテリウムでした。

 

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前日のロードレースでは勝ったのは良いのだが見事に脚を使い、臨んだ日曜日は脚は重め。

 

 

しかしこれまで4年間、誰にも勝利を譲らなかったステージであり、特別な思い入れがあるレースでした。

 

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今回は初めてイエロージャージを着用しての出走。

昨年、一瞬だけ総合トップになったこともありましたが、着用するには到りませんでした。

違和感。



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レースが始まると、例年に比べてかなり緩めのペースで展開することになる。

アタックに出るチームもあまりおらず、判断の難しい動きが相次ぎ、難しいレース展開になりました。


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それほどアタック合戦が激化しないまま中盤へ差し掛かり、2名の逃げが容認されました。

 

我々はコントロールに入ってレースを支配下に置く…ということは今回しないプランだったので、終盤にかけて他チームの動きに便乗する形でしたが、最後まで自らレースをコントロールしようとするチームが無く、逃げは最終盤まで続きました。


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チームメイトも慣れないプランに少し焦りなども見え、無線の不調などもあり上手く連携が取れないシーンもありました。


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そんな中でも皆僕のために近くで走ってくれました。

 

いよいよゴールが近づく終盤、残り4周回のヘアピンで、僕は他選手の落車に巻き込まれてしまう。

 

このタイミングではニュートラルは適応されない為、集団から落車やトラブルで遅れても自力で復帰するしかない状況。

 

急いで他選手と絡んだ自転車を引き剥がし、再スタートをして復帰を目指しました。

幸いにも自転車は正常に動いてくれていたので、懸命に踏んで半周する前に集団復帰できました。

 

 

 

最終盤での落車。

それでも、自分の中ではやめるやめないの判断など無く、ただすぐ走り出していました。

 

地元ファンの前での地元チームとしてのレース。

ツアーリーダーとしての立場。

 

後から考えれば色々あるが、この時は一個人としてこのレースをここで終えたく無い一心で走っていたかと思います。

 

 

 

 

 

しかし、集団復帰したこの時点で僕の心境はいっぱいいっぱい。

 

思わぬ脚の消耗に、焦りがありました。

 

感覚的には復帰してすぐに、もうラスト1周の鐘の音が聞こえた。

 

僕の周りには数名のチームメイトがいたが、本来立てていたプランとは違った立ち回りをすることになっていて、枚数も増田さんと宮崎しか残っておらず、厳しめな状況に。

 

宮崎くんから増田さんへ繋ぎ、バックストレートでは増田さんの単独引きで最終ターンへ。

 

 

 

しかしここで、僕と増田さんの間で思惑のすれ違いが発生。

 

増田さんはストレートを引き切ってそのままフェードアウトするつもりだったが、僕はコーナー立ち上がりまで増田さんの後ろにつくつもりでコーナーにアプローチしていました。

 

その為、コーナーで増田さんがアウトに大きく膨らんだ時には既に遅く、アウト側でフルブレーキしていた僕はイン側のラインを大きく開けてしまう事になり、コーナーの立ち上がりでは大きく順位を落としてしまいました。

 


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その時インをすり抜けたスパークルに見事に先行され、短いストレートで追いつく事は叶わず。

 

おまけに上手くスプリントすることすら出来ずに順位を落とし、5位フィニッシュ。

 

 

ゴール後すぐに、増田さんが声をかけてくれたが、一瞬頭の中が真っ白になっていて受け答え出来ず…

 

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チームピットに帰ってきてようやく負けた実感が湧いてきて、ものすごい喪失感を味わいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連覇をする立場として、毎年期待とプレッシャーを背負って挑んでいたこのレースで、それが無くなった時、僕は解放されて清々しい気持ちになるものだと思っていた。

 

 

 

でも、いざこういった負け方をしてみて、連覇記録を失ってみると、こんなにも悔しいんだな…と実感。

 

そう簡単にできることでは無いし、失う時はいつか来るものだけれど、なんだろうな、自分にポッカリと穴が空いた気分になりました。

 

 

「5連覇」と言われ、いやいや…

と言いつつも、なんだかんだで自分がこのレースに対して相当な思い入れがあったのだな、と終わって気づかされました。

 

 

 


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レース後のステージでは、昨日に引き続き地元賞である「栃木県民賞」を頂きました。

 

勝って獲得するのと、負けて獲得するのでは気持ちがだいぶ違いましたが、地元選手としてこうして賞を頂けて嬉しかったです。

 

 


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総合リーダーもキープ。

まだクストスの高級腕時計は僕の手中にあります…

 


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馴染みのあるブルージャージもキープ。

 

リーダージャージを着用できるということは特別なことです。

 

 


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レース後は駆けつけてくれたファンの皆様へご挨拶。

少しずつ、コロナ禍以前の感じが戻ってきたように感じます。

 


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地元メディアの取材も受けます。

 

その瞬間の選手の姿、気持ちを報道してくれる地元メディアにはいつも感謝しております。

 

 

 

 

 

 

 

とても濃い二日間でした。

 

おかしいな、ロードレースで初勝利してめっちゃ嬉しかったはずなのに、翌日のクリテリウムでの負けの方が勝ってしまって、素直に喜べ無いんですよね…

 

ほんと、勝つ日を間違えちゃったな…

 

 

 

 

 

 

開幕2連戦、沢山の応援ありがとうございました!

 

皆さんの応援のおかげで、ロードレースでは勝利を手にし、クリテリウムでは最後まで諦めずに走れました。

 

それと昨日までに沢山のお祝いの言葉や励ましの言葉をSNS上で頂きました。

本当に幸せなことです。皆様ありがとうございます!

 

 

 

これからも良いレースをお見せできるよう頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

一夜明けた今日はオフでしたが、事務所でミーティング。


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事務所倉庫にはレースの先導を務めたGRスープラの姿が。

 

やっぱりこの手のマシンは放つオーラが違いますね。

 

 

 

そして優勝祝い?

というようなタイミングでロードレースのゴール直後に入荷の電話が入ったレカロシートも引き取ってきました。


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初のレカロのフルバケ。

ホールド感最高です。

 

ただ、落車のダメージでお尻が痛いので、治ってからレビンに付けることにします…笑

 


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今日の夕飯後には、副賞で頂いたとちおとめ♪

 

甘酸っぱい…何となく今の僕の気持ちに近いのかな。

 

 

 

 

 

 

さて、早く身体を回復させて、次に向けて頑張るぞ。

 

 

それではまた。