音速戦士オノデライダーのブログ

宇都宮ブリッツェン所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

Gracias españa!

 

 

マドリード〜ドーハの飛行機の中でブログを書いています。

 

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あっという間に帰路についている気がする今回の遠征。

 

 

レースの写真などは手元にないのでレポートブログにしては華が無いけれど、一応その位置付けです。

 

まぁ、レポートといっても、そうとも言えないくらいに何もしていない。

 

増田さんが自分自身の力で掴み取った今回の20位という結果。

そしてUCIポイント獲得ならびにオリンピック選考ポイント獲得による選考順位逆転。

 

これが今回の全てであり、僕は何もしていない。

 

 

共にスタートラインに立っただけだ。

 

上りで展開に乗れたのはチームから増田さんただ一人。

 

雨で寒いという条件もあり、海外チームも遅れたら早々にレースを辞める人が多かった今回。

序盤からもう勝負は決していたのだ。

 

 

増田さんに学ぶ、不屈の精神。

 

どんなプレッシャー下においてもパフォーマンスを発揮する真のプロフェショナル。

 

 

 

カッコいい。

 

 

 

今こうしてブログを書いている僕の前の席に座るのが増田さんだ。

 

席の上部からわずかに見える増田さんの髪の毛を見ながら、僕は改めて彼をリスペクトしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目立った仕事も、完走も出来ずに帰路についている僕は不完全燃焼な気分だ。

 

シーズン最後のレースだったというのに。

 

しかしもう今年はレースは無い。

異例の例年より早いオフシーズンの到来だ。

 

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機内ではワインを頂いている。

 

行きの飛行機で隣の席のおじさんがひたすらワインを飲んでいたのが羨ましかった。

 

僕だって飲んでやるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しだけレースの日の話をしよう。

 

 

 

 

結果だけ言えば僕はレースが出来なかった。

 

早々にみんなして上りで置いていかれ、平坦区間で追いつく可能性に賭けて、数十人の追走集団を引きまくったが、追いつくことはなかった。

引き倒して脚が売り切れた僕は次の上りで完全にレースから遅れた。

 

 

それから一人でチームスタッフのいる場所を探して走った。

 

しかし僕の勘違いで居ると思っていた場所にはスタッフがいない…。

 

冷たい雨の降る中、一人立ち尽くしていた。

 

やがて、陣さんもやってきて、でもどうすることもできずに二人で立ち尽くす。

 

 

 

 

上り区間の頂上付近。

 

ちらほらと応援に駆けつけた現地の人がいる中、レースを走っていた僕らはその影に隠れ、二人して冷たい雨に濡れながら震えて待っていた。

 

 

 

しばらくすると、そんな惨めな僕らを見つけた人が、傘を差し出してくれた。

 

お礼の言葉はグラシァスしか知らない。

ただただ、グラシァスだった。

 

良心的な笑顔で気にするな、と言わんばかりの態度で傘を預けてくれました。

 

 

すると今度は別の方が、温かいお茶の入ったボトルを渡してくれた。

 

その人も寒いだろうに、気にせず飲んでくれと差し出してくれたのだ。

 

グラシァス…凍えた身体に染みる…

 

 

 

傘と飲み物を頂いて、濡れたベンチに座っていると、今度は自分の車のリアハッチを開けて、そこに座れと案内してくれる人が。

 

雨に打たれずに済む上に、そこでコーヒーとパンとキッシュのような料理を差し出してくれた。

 

美味しい…涙が出そうだった。

 

 

 

しかし、濡れた身体で外にいることに変わりはなく、寒さで身体の震えが止まらない。

 

すると、レースコース沿道の家の人が暖かいジャケットを持ってきてくれた。

 

更にはそのままうちに上がっていいよと、家まで案内してくれた。

 

陣さんと二人で自転車も中に入れさせてもらい、雨風をしのげるガレージスペースでお菓子と温かい飲み物をいただいた。

 

 

 

 

見ず知らずの、レースを降りた外国人選手にここまでしてくれるのだ。

 

なんて温かい人たちなんだろう。

 

感謝の気持ちでいっぱいだった。

家の人は少し英語に理解のある方だったので、カタコトの英語で感謝の気持ちを伝えた。

 

 

結局、そこにチームの補給スタッフが現れる事が無く、僕らは自走でゴール地点まで向かわなければならなくなった。

 

ゴール地点まで運んであげるとまで言い始めた人もいたが、流石に申し訳なかったのでそればかりはお断りした。

 

 

近所のみんなに見送られて、陣さんと僕はゴールへ向かったのだった。

 

 

 

 

Muchas gracias!

 

 

日本語的発音するとメチャスグラシァス。

最初は「めっちゃぐらしゃす」に聞こえた。

 

 

本当にありがとう!!

 

 

 

 

 

もし、今度また行く事があれば、日本の土産を沢山持ってお礼に行きたい。

 

 

レースでは自分の力の無さにがっかりし、意気消沈してレースを降りたが、スペインの人たちの優しさに心温まる思いをした一日でした。

 

 

 

前にスペインに来た時も、ヨーロッパ圏では一番人当たりが良くて優しいなと感じていましたが、今回の遠征で確信が持てました。

 

スペイン人はあったかい。

 

チームに協力してくれた現地スタッフのリカルドさん、ナバスさん、バルバスさんもとても協力的で真面目で、良い方々でした。

 

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そして僕のバイクフィッティングをしてくれたカルロス・サストレさんも、レースまでのトレーニングの面倒を見て下さり、毎日アドバイスのメッセージをくれたりと、とても親身になってくれました。

 

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今回の遠征に関わってくれた全てのスペインの人達に、心から感謝です!

 

 

 

 

 

良い人たちに恵まれたこのスペイン遠征も終わり、僕らはスペインを去りました。

 

ここからは過酷な移動。

 

今は7時間弱の飛行機の最中。

 

ドーハでトランジットした後、成田へ向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

ただ一つ。

 

心配なのはウイルスを持ち帰っていないかどうか。

 

成田での抗体検査を経て、2週間の自主隔離。

 

 

ちょっと心配です。

 

でも僕は元気です。

 

 

 

 

 

 

それではまた。