ついにこの日が来た。
期間中1番不安だった信州飯田ステージ。
ハードな上りと下りが連続する難コース。
正直、苦手意識しかない。
コースの難易度もそうだが、過去2回このステージでリタイアしていることも原因だろう。
1度目は寒い雨の中、動かない身体でもがき苦しんだ末のリタイア。
2度目は序盤に落車し、その復帰途中にもう一度落車して、ボロボロになってリタイア。
去年は自分でもビックリするくらいに走れていたが、今年はレベルが違うしそれが自信になることは無い。
スタート前。この日が1番不安が大きく、険しい表情をしている気がする。
監督が予想していた通り、1周目から上りがかなり速い。
幸いにも千切れるほどのペースでは無かった為、集団でクリアできた。
2周くらいハイペースが続いた。
毎回下りでは、このペースはいつまで続くのかな…とハラハラしながら次の上りに備えていた。
今日は上りにびびってホイールは前後C36をセット。実はこの組み合わせは初めてだったが、スクルトゥーラとは相性が良いように感じた。
3周を終えようやく逃げが確定し、メイン集団のペースは落ち着いた。
近くにいるチームメイトと常に固まりつつ、毎回上りでは谷さんの位置を気をつけて見ていた。
今日のプランとしては、チームで自分達から何かアクションを起こすことはせず、谷さんを総合タイムを落とさず富士山へ繋げることに専念。
このコースでは大したアシストが出来るわけではないが、有事の際にすぐに対応できるように近い位置で走ることは大前提として意識はしていた。
ちょっとした癖というか習性というか…チームメイト時代から譲さんの走っている位置にはなんとなく安心感を覚えることから、レース中に単騎でいる譲さんを見つけるとつい無意識に近くを走ってしまうんです(トレインの中には入らないが)
自分もチームメイトにとってそんな存在になれたら良いな…なんて考えていたりします。
逃げが決まってからは大きな動きはなく、思っていたよりかは余裕を持って走れるペースで最終局面まで来た。
メイン集団には谷さん、フォン、晴飛、僕が残っていた。
流石にラスト1周の上りのペースはこの時の自分には厳しく、そこで遅れてしまいました。
幸い、晴飛が最後まで残ったので谷さんのアシストに徹してくれたようだ。
僕は最終周に同じタイミングで遅れた選手たちとゴールまで走る。
もう明日に備えてイージーに行こうと、そのグループの中でもペースが合ったトレンガヌの選手と2人でゴールまで共に走った。
少し言葉を交わしただけだが、共に走った選手と今日の健闘を讃えあう。
今日の飯田→富士山の移動は期間中最長。
レース後も忙しなく後片付けに追われる。
チームのアルバムに着替え途中の写真が混ざっていたので使ってみる。
すぐに着替えて、すぐに食べて、すぐに移動する。
ステージレースは色々と大変だ。
レース中もそうだが、レースが終わるとスタッフ陣の仕事(レース)が待っている。
長い移動からのその日の片付けや明日の準備等。
レースは選手だけでは成り立たないことがよく分かります。
日々感謝です。
さて。明日はいよいよ富士山ステージ。
僕には勝負することすら許されない鬼コース。
上り一本勝負となった今回、尚更アシストがどうこうできるコースでは無くなった。
なので僕は、総合争いをする谷さんに思いを馳せて懸命にゴールを目指すのみ。
頑張ろう。
それではまた。