ツールド九州は2日目。
熊本阿蘇ステージ。
標高900mの瀬の本レストハウスをパレードスタートし、下りながらリアルスタート。
その後、阿蘇山の麓の山を一つ越えて周回コースへ入る108km。
ステージの半分は周回コースとなっていて、ラインレースというより周回レース感の方が強い。
ケニーロバーツもびっくりな、急勾配で10分以上続く1級山岳が5回も繰り返される。
上った後もすぐに下れないし、下ってからの平坦区間も短いことから、一度遅れたら復帰は難しい。
試走の段階でコレはヤバイと分かった。
特別措置が設定されなければ、完走者は半分くらいになったであろう。
もう少し考えてコースを作れなかったものか…
今日の天候は1日中雨。
よりによって今日が雨か。
スタートは気温一桁の山の上。
寒さに凍えながら支度をする。
あまりの寒さに僕はレッグウォーマーを装着したまま走ることにした。
欲を言えば長指のグローブと厚手の長袖が欲しかったところだ。
寒い…コレはだめなやつだ…とスタート前に怯える僕。
震えながらスタート。
下りながらのパレードは行きた心地がしなかった。
リアルスタートが切られると、アップダウンを繰り返しながら下っていく。
上り勾配になった時の身体の動かなさと行ったら、絶望するレベル。
疲労している身体に冷たい雨の冷えが追い打ちをかけ、身体がまともに動いてくれない。
これはヤバいと悟った。
しかし、こんなところでレースを投げ出すわけにはいかない。
走れないなりにやれることはやる。
最初の峠は比較的ローペースで上ってくれたので助かった。
そこからは下り基調で周回コースへ突入する。
周回コースの上り口は狭く、集団後方にいるとその後の上りが不利になってしまうことから、今日をしっかり残れる脚を持つ谷さんと時さんが集団前方で上りに入れるよう、ポジションアップの役を担った。
上りエースを持つチームはどこも同じ思惑で、周回コースを目前にポジション争いが激化。
自分の後ろにチームメイトがいるか確認しつつ、集団前方を死守した。
完全では無かったであろうが、上りに入って前方で2人が上り始めるのを確認できたので、僕はそのまま後退した。
セカンドグループについていきたかったが、今日の僕の身体は全然ダメで、その後に来たグルペットにすら置いていかれた。
絶望的な1周目を終え、2周目はさっきより身体が動くのを感じた。
抜かれたグルペットにいたが、自分のペースで上りたくてグルペットを離脱。
残り4周回を意識した自分のペースで上る。
すると後ろからGO FOR GOLDの選手がジョインしてきた。
元々独走を覚悟していたので気にせず走ることにした。
一度下りでローテーションをしてみたのだが、下りのペースは僕が先行したほうが速かったので、3周目以降は主に下りと平地は僕、上りはGFGの彼といったように協力しながら地獄のような周回をこなした。
ほぼ上りと下りしか無いコースで、ローテの意味はほとんど無かったように思うが、一緒に走れただけで精神的には良かったのかもしれない。
17分以上遅れてゴール。
救済措置はいらないから早く切ってくれと思うくらいに辛かった。
周回コースには雨にも関わらず沢山の人が応援に駆けつけてくれており、遅れてからただただ辛い上りを走っている時も熱のある応援をしてくれていました。
あれが静かで、ただ雨の音と自分の鬱陶しいくらいの呼吸の音しか聞こえていなかったら、間違い無く途中で心が折れてレースを降りていたことだろう。
応援ありがとうございました!
明日は最終日。大分ステージ。
明日のスタートもオートポリスなので標高も高いことから、雨だと辛い目に遭う。
天候が心配ではあるが、安全第一でやれることをしてこよう。
それではまた。