自分の息づかいと、タイヤが路面と摩擦する音と、時々その音に混ざって変速機の音が聞こえている。
でも他には何も聞こえない。
爆風の追い風と同じ方向に走ると、いつも走ると聞こえている鬱陶しい風切り音がフッ…と消える瞬間がある。
自転車に乗っている人なら誰しも経験があることでしょう。
この瞬間の、無抵抗感というか、無重力感というか、そんな感覚が僕は好きだ。
いつも聞こえてくる周りの喧騒から解放され、無音の世界を一人で走っている感覚にさせてくれる。
風に飛ばされて散り落ちた、枯葉や小枝が流れるように路面を舞い、その流れと一緒に僕も走っている。
ジブリの名作「となりのトトロ」の作中、サツキが口にしたセリフ。
"私たち、風になってる"
このセリフが一番当てはまるシチュエーションな気がするんだ。
流石に木は避けてくれないが、風向きと進行方向が一致したほんの少しの間だけ、いつもと違う世界を走っている気分にさせてくれる。
とか思って気持ちよく走っていられたのも束の間。
トレーニング後半はギャンギャンの向かい風&横風。
風になってる〜
なんて呑気なことなど言ってられず、ハンドルにしがみつき、自転車を真っ直ぐ走らせることに全集中しなければならない…。
どうしてこう風の強い日ってのは、追い風区間は短くて、その他のシンドイ区間が多いのだろうか…。
一人でぶつくさ言いながら走った今日。
風になってる写真も無い。
帰りに寄ったあかつきやさんで食べた焼きそばの写真も無い。
毎度ブログネタの写真に困るオノデライダーです。
今食べたい物ってことで、沖縄で食べたもずくの天ぷらを添付(ら)します。
ナンチッテ。
それではまた。