オノデライダー戦記

ヴィクトワール広島所属プロロードレーサー小野寺玲のブログ。いつまでも自分らしく輝きたい僕の日常や活動を発信していきます。

それでも

 

 

昨日の塩谷クリテリウムでの落車で、チームとしても、僕自身としても、大きなものを失ってしまった。

 

増田さん、中村、及川が転倒し、増田さんが骨盤骨折の重症を負ってしまいました。

 

これにより、残り1か月を切ったブリッツェンでの残りシーズンを共に走る事ができなくなってしまい、その先のオフシーズンの増田塾も絶望的に…

 

 

僕にどうしろと…?

 

 

チームメイトとして最後に走る残りのレース、そしてツールド沖縄を楽しみにしていたのに。

 

更に言えば、毎年オフシーズンは、増田さんからのメッセージでトレーニングに駆り出される事により、なんとか状態を上げる事ができていた僕だ。

 

その増田塾無しにどうやってシーズンインに備えれば良いのだろう…

 

 

これは、いつまでも増田さんに頼るなという暗示なのだろうか…

 

 

 

 

 

 

こんな具合にずっと、この先の不安とか、これからどうして行くべきなのかを考えて過ごした昨晩。

 

今日のレースもあるし、考え込みすぎても良くないと思い、iPadでゲームをやりながら無理矢理寝落ちした。

 

 

 

 

 

 

迎えた今朝は、懸念していた脚の痛みもそれほど酷くなっておらず安心した。

 

落車を回避した際、変に力んだせいか、変な所が所々痛む程度。

 

 

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今日は走れるメンバーが4人。

枚数が少ない分苦戦を強いられる。

 

 

 


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今日は早めに身体を動かし始めた。

昨日の影響がどれくらいのものか確かめる為でもある。

大きく影響するような感覚は無くて安心した。

 

 


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慣れない色での出走。この色のジャージは僕には重すぎる気もする。

 


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ストップアンドゴーを延々と繰り返すハードなレースが始まる。

 


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今日は枚数的に不利な状況下だったので、コントロールは不可能と考え、最後に向けた動きだけを全員で確認して挑んだ。

 

珍しく、今日は行くつもりじゃ無かったと後に話していたアベタカさん。

 

 

そのアベタカさんがタイミングで乗った逃げが何となく決まりそうな気がしたので、僕も後から単騎で合流した。
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しかし、この8人の逃げには右京が3人も乗っていて、あまり良くない状況。
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それでも、少ない人数で戦っている我々としては、中途半端に追いつかれるより、逃げ切りで勝負する方向の方が良いと判断し、逃げが決まってから終盤にかけてずっと、アベタカさんは小石選手と2人で逃げを引っ張り続けた。


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僕はその間、逃げ集団の中で落ち着いて走る事ができたが、この逃げが失敗したら…と考えたりすると弱気になりそうな自分がいて、何とか奮い立たせて走っていた。

アベタカさんの背中がどれだけ心強かったことか。

 

 

後ろに控えている右京勢が仕掛けてくるのが分かっていたので気が気じゃ無かったが。

 

 

 

 

その後、追走が迫ってくると、予想していた右京勢の波状攻撃が始まり、都度反応し、追いつくたびに牽制が入り…

を繰り返し、逃げのペースが落ち始める。

そうこうしていると、正確な数字は覚えていないが、ラスト5周を切ったくらい?で集団は一つになった。

 

 

しかし、追ってきた集団も追いつく為に消耗したのか、既にかなりの人数が絞られていた。

 

フレッシュな状態で追いつかれると、その後が心配だったが、逃げも追走も同様に消耗していたようだ。

 

 

集団がシャッフルされ、その後も続いた右京勢の波状攻撃に最後まで対応してくれたアベタカさん。

後ろから合流した光さんも、終盤の攻撃に対応してくれた。
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僕も対処できる攻撃には常に反応して、を繰り返してかなり消耗してきた。

 

 

 

結局、最後までドンパチしながら、集団一つで最終周。

最終ターンでラインを塞がれ、少し番手を落として立ち上がるが、そこで僕をインから抜いたクレダー選手の番手に付けたので、そこからスプリント態勢へ。

 

良い番手に付けたと思ったのだが、クレダー選手のスプリントの伸びは素晴らしかったし、消耗した僕の脚ではこれを捲り切れなかった。
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またこの場所で2位だ…

悔しい。

 

 


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本当は増田さんに最後まで来て欲しかったイエロージャージは僕が持っている。

増田さんの今シーズンの出走が叶わなくなった今、代わりにこれを守るのが僕の使命なのかもしれない。

 


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愛着のあるブルージャージがレースで着れないのは少し寂しいが、これも引き続きキープする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レース後は、応援に駆けつけてくれたファンやサポーターの皆様へご挨拶。

そして、今日が誕生日の増田さんと、最近誕生日を迎えた選手達のお祝いも。


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最後には全員で増田さんへのエールを送りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は沢山の応援、ありがとうございました!

レース中は常に弱気になりそうな状況でしたが、沢山の応援が僕の気持ちを奮い立たせてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今シーズンもあと少し。

失ったものは大きすぎる。それでも、僕らはできる限りを尽くして走り抜かなければ。

 

 

 

 

 

 

それではまた。