交流戦群馬大会2日目。
雲行きが心配ではあったが、スタート前からよく晴れていて、終始天候の変化は無かった。
審判からはスタート前、8周回以上過ぎた段階で雷が近くなった場合、その次の周でジャンを鳴らしレースを終了させることがあると知らされる。
つまりは、天候次第ではいつレースの決着がつくか分からないシークレット要素が加わることになる。
雷が鳴った途端にレースの決着がつくのだ。
こんなレースなかなか無い。
今日もスタートからハイペース。
もはや慣れた。
逃げもなかなか決定打が出ず、逃げてはそれを追い、また逃げができてはそれを追う…
の繰り返し。
中盤に差し掛かる頃にようやく5名程の逃げが容認された。
そこにブリッツェンのメンバーは入っていない。
我々は静かに集団のコントロールを始める。
だがしかし、今回に限っては逃げとのタイムギャップを開かせ過ぎると、雷が鳴った場合に勝負しようが無くなるというリスクが伴っていた為、ゆっくりとしたペースで引く時間はあまり無く、終始最大でも40秒ほどのタイムギャップに留めたコントロールだった。
逃げのペースも少人数の為にそこまで速く無い為、一度つまりかけるとペースが落ちることもあった。
コントロールしている我々以外にとっては割と楽な展開だったのかもしれない。
増田さん、アベタカさん、堀さんの3名が終始コントロール役を担った。
近づきすぎず、離されすぎず、慎重なコントロールが続く中、終盤に差し掛かる頃に動きが出る。
逃げとの差が終始近かったこともあり、他チームにとってはいつでもアタックできる体制が整っていたことになる。
我々もそれを警戒してはいたが、いざそれが始まると、コントロールで消耗していたメンバーにとっては酷な話である。
コントロールに加わらなかったメンバーを中心にチェックに回ったが、僕自身もかなりキツい感触。
譲さん、西村さん、僕の3人を中心に勝負していくプランだったが、ドンパチが始まるとそれどころじゃなくなり、反応できる人が反応していくしか無かった。
正直、今日の身体は微妙な感触で、最後まではキツいかもしれないとチームメイトには伝えていた。
しかしこの混戦の中でアタックのチェックをしていたら自然と勝負する集団に残っていた。
いや、めちゃキツいんだけれどね。
最終盤、勝負できる位置にいたのは、増田さん、譲さん、西村さん、僕の4人。
増田さんは不調明けにも関わらず流石の強さだ。
若干名の先行を追いながらラスト周へ。
これはラストの上りを前に吸収されて集団は一つで最後の上りセクションへ。
マトリックスのキンテロ選手の強力なアタック。
その前にアタックに反応していた増田さんは間に合わなかった。
その後ろにいた僕が行くしかないのだが、かなりキツい!
行くべきなのだろうが腰が上がらない。
そんな弱気な僕に増田さんが声を上げる。
「レイ、死ぬ気でついてけ!!」
その一喝で僕は踏み直し、なんとか上り頂上までに追いつけた。
しかしキレが悪かったせいで頂上までに10名程の小集団になってしまった。
先頭にいたキンテロ選手もこれを見て一度踏みやめていた。
そこからアタックがかかった際に西村さんが先頭に立ちそれを吸収し、さらには牽制でスローダウンするのを恐れて引き続けてくれました。
森の中の大きな左ターンを僕は4番手で走る。
コーナーの出口で蛍光色のジャージが右手から勢いよく飛び出すのが分かったのだが、その瞬間に左サイドにいた僕は瞬時に飛びつくことができず。
埋もれながら4位に食い込むのが精一杯だった。
最後の上りで文字通り死ぬ気でついていった際、すでに僕の脚は終わっていた。
データを見返しても、最後にまともなスプリントのパワーを出せていない。
ロードレースで勝ちたいと言っておきながら、自分の力で決めるべきところで決めきれない弱さが露呈してしまった。
今日のレースは不確定要素もあり、いつも以上に難しいレースだった。
チームでコントロールしたことも、こうなってしまえばただの引き損だ。
考え直しても良い打開策がすぐに思いつかない。
ロードレースは難しいのだな。
一応、まだ僕はリーダージャージを着れるらしい。
総合リーダーの器ではないので、このジャージは僕にとって少し重く感じる。
家に帰ると甘いケーキが待っていた。
レース後の甘いものは欠かせない。
ありがたや。
明日は休む。
あんなにも嫌いなコースをこれだけ走ったのだ。これくらいの休息はもらってもバチは当たらんだろう。
嫌いなコース2連戦。次週は広島。
なんか考えただけで脚が重くなってきたぞ。
それではまた。